僕の大好きな偉人の中に「ホセ・ムヒカ」という方がいます。ウルグアイの大統領です。
ご存知の方も多いと思います。
大統領なのに家には水道も無い、クレジットカードも持って無い。給与の大部分を慈善団体に寄付しているため、彼は月10万円ほどで生活しています。そのため「世界で最も貧しい大統領」として知られるようになりました。
僕はこの人の考え方が死ぬほど好きなんです。
当時僕は投資にハマり、1時間に何度も相場を確認し、貰った給料を如何にして増やすかに命を削っていました。総額100万以上投資に費やし、しかもビキナーズラックで仮想通貨が当たり、バンバン資産を増やしては高価な服やブーツを買って調子に乗っていました。
「先輩!ちょっと聞いて下さいよっ!」と毎朝隣の先輩に自慢していると、先輩からある本を勧められました。
それがムヒカ大統領のスピーチでした。
その本にはこう書かれていました。
“貧乏な人とは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ”
僕は雷に撃たれた気分になり、夢中になってそのスピーチを読みました。
“発展は幸福を阻害するものであってはいけないのです。
発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはなりません。
愛情や人間関係、子供を育てること、友達を持つこと、そして必要最低限のものを持つこと。
これらをもたらすべきなのです。”
自分がとても惨めな存在に思えました。初めて本当に大切なモノに気づかされたんです…
急にお金を増やすのがバカらしくなり、身の回りの服を捨て極力シンプルに、慎ましく生活するようになりました。外食を減らし、お弁当と水筒を持ち、週3回行っていたスーパー銭湯も月1回に減らしました。スポーツジムも会員制の高いところではなく、市が運営している1回300円くらいのトレーニングルームに変えました。
人間ってのは不思議です。
買えば買うほど、新しいモノが欲しくなり
捨てれば捨てるほど、今あるモノが大切に感じるんです。
僕はこの大統領の言葉のおかげで「幸せの意味」が少しだけわかった気がします。
子どもや奥さん、それに友達や仲間…
今あるものは当たり前じゃなく、とても大切な存在です。
「当たり前」を「ありがとう」に
そう思ってこれからも生きていきたいと思います。