今回は回想編です。
「おいおい、肺炎の子ども置いてそりぁないだろ」と思ったそこのあなた。
まんまと騙されましたね笑
僕は大学生の時、初めての海外旅行に行きました。普通の大学生であれば、ハワイとかグアムなんでしょうが、僕は違いました。
何も持たずに旅行代理店に行って、こう言います。
「一人で自転車旅したいんですが、アフリカとかどうっすかね?」
窓口のお姉さんのあの「ん?」という顔は忘れられません。「と、とりあえずアフリカはとても危険なのでニュージーランドかオーストラリアはどうですか?」と言われたので、じゃあニュージーランドで!!って即チケットを買った。
「ホテルはどうされますか?」
「あ、テント持ってくのでいいです」
「失礼ですが、英語は話せますか?」
「まぁなんとかします!」
「…」
と、そんな具合です。
僕は自転車を整備して、必要なものを買い揃えて、虎の子の7万円を握り締め空港に向かいます。
日本でのチェックインは問題ありませんでした。ただ乗り継ぎの時に問題はおきました。
空港の中でいきなり僕は取り押さえられます。何やらめちゃくちゃ早い英語で質問責めにされますが。皆目検討もつきません。僕がキョドっていると荷物の中身を全部出されました。本当に「全部」です。
向こうに着いてから食べようと思っていた“じゃがりこ”を開けられた時、僕の堪忍袋が切れました。
「ジャパニーズ、プリーズ!!!!💢」
(話のわかる日本人呼んで来いや!!)
すると奥の方から日本人らしき人が現れました。救世主の登場に見えました。
険しい顔で何やら交渉してくれてます。そして一言…
「この、カードに見覚えありますか?」
それは飛行機の中で出るときにチェックしたカードだった。英語のわからない僕はとりあえず全部チェックしていた。
「はい、ちゃんと書きましたけど?💢」
「これ、危険物の持ち込みカードなんです」
よく見ると“麻薬持っていますか?”“銃などの危険物を持っていますか?”などが書いてありました。再度言いますが僕は全部の項目にチェックしたんです。
そして空港に着くなり40kg 程の荷物や自転車を持って出ていきました。
そりぁ止めるわな!笑
僕は勘違いしていたことを告げ、なんとかギリギリでニュージーランド行きの飛行機に乗れました。日本人スタッフがいなかったら僕は今頃刑務所でした。危ない、危ない…
そんなこんなでニュージーランドにようやく到着しました。
土地勘無ぇ
WIFI 無ぇ
“いんぐりっしゅ”は何者だ
お金も無ぇ
宿も無ぇ
おらの旅には、何にもねぇ!
そんな吉幾三みたいな旅が、始まった。
つづく