僕は昔からばあちゃん子でした。
オカンが毎日遅くまで働いていたので、その間ずっとばあちゃんが僕の面倒見ててくれました。
当時から僕はやんちゃだったので
兄貴と手を組んでばあちゃんを家に入れなくするイタズラをしました。でもばあちゃんは絶対に怒らないんです。いつも優しく僕たち兄弟を許してくれました。
スイミングスクールの帰りも、本当は眠くないのに寝たふりしてばあちゃんにおんぶをしてもらってました。長い帰り道をずっとおんぶして帰るのは結構大変だったと思います。でも文句一つ言わずばあちゃんはいつもおんぶしてくれました。
そんなばあちゃんも今、認知症になり寝たきり生活です。
うちの子はばあちゃんを見て「怖い!」と怯えていました。
死を間近にした人間を初めて恐怖に感じたんです。僕はこの感覚ってとても素直で大切なことだと感じました。
そしてしばらくすると落ち着いて「ばあちゃん可哀想だねぇ」と寂しそうに言いました。理解できなかった恐怖が“死”として認識された瞬間でした。
子どもも大人も、お年寄りも全て繋がっていて、みんな死に向かって生きている。そんな当たり前だけど、とても大切なことを息子は今回学びました。もちろん、僕も。
命の大切さを何時間かけて教えるよりも、ばあちゃんに会ったことで“命って終わりがあるんだ”と感じたことの方が何倍も大切だと思います。
ばあちゃん、大切なことを教えてくれて本当にありがとう。