「ごめんね🙏今日は時間がないの‥」
「次の予定があるから‥」
そう言われると僕は決まってこう言う。
「いいよいいよ、しょうがないよね」
あ、わかってるんで全然気にしてないです。って平気な顔してお利口さんする。自分を後回しにされる事に本当は傷ついてるんだけど、へっちゃらなふりをする。
小さい頃からの僕の癖。
ワガママ言って親を困らせる兄を見て育ってきた弟の僕は、「僕はわかってるからね」と母に常にアピールしていた。お利口さんしていれば、お母さんやおばあちゃんは
「真央は偉いね」
そう言って、お菓子やおもちゃを買ってくれた。それ以来味をしめた幼き僕は、いつしか常に人の目を気にして相手が何を僕に求めているかを考え、期待に応えることで自分のワガママを通すようになった。
僕はお利口さんをやることで、人をコントロールする術を覚えてしまったんだ。
だから営業マン時代は良い成績を残せた。
相手の求めるお利口さんを演じていれば、誰だってコントロールできちゃうから。
でも本当の自分は何よりもそんな自分が嫌で嫌で仕方なかった。
先生に病院で何時間待たされて約束をすっぽかされても平気な顔してる。でも本当は平気なワケない。心はいつも辛くて、悲しかった。
誰をコントロールすることもなく
ありのままの自分を
心から受け入れて欲しい。
自分を深掘りすることで、本心に気付くことが出来た。そう思ったら今までの想い出がブワーっと溢れてきた。
仕事から帰ってクタクタなはずなのに、僕達が寝るまで絵本を読んでくれたお母さん。
忙しいのに、わずかな時間でも会いにきてくれる友人や仲間たち。
後回しどころか、みんな自分と一緒に居てくれるために一生懸命時間を作ってくれていたんだ。
【一緒にいる、この一瞬一瞬が宝物】
僕は感謝と嬉しさで、涙が出そうになった。
かけがえの無い人達と過ごす、かけがえの無い時間。その大切さに気付くことが出来たんだ。
もうお利口さんやる必要が無くなりました。
誰かをコントロールする必要も無くなった。
そんなことしなくても僕は最初から、皆に愛されていたんだ。みんなみんな、ありがとう。
これからもありのままの自分でいるよ。
気付かせてくれてありがとう。
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