ロータス終わりに長男が通う学校から電話が入る。
「おたくの長男くん、学校からセンター(学童)に行く予定がセンターに来てないんです…」
間違えて家に帰ったのかと思ったので、一度帰宅するが手提げが玄関のドアにぶら下がったまま。鍵を持ってない長男は家に入れずにどこかに行ったのだろうか…
長男が行きそうな各所に連絡を入れるも何処も不在。
近所の公園を周り、そこで遊ぶ子ども達に手当たり次第に聞き込みをした。
返ってくる答えは皆一緒。
「…そんな子見てないけど」
実はうちの長男は俺に似てよくどこかに消えてしまう。以前にも同じことがあり、ふらっと家に帰って来ては心配する親の事など気にも留めずオヤツをポリポリ食べる太い神経の持ち主だ。
“こ、今回もどうせすぐにふらっと帰ってくるだろ…”
一度捜索をやめて家に帰る。
が、期待を裏切るかのように帰って来る気配は一切無し。
少しずつ夕方から夜になっていく。
辺りが薄暗くなるにつれ、自分の心が少しずつザワついてくるのがわかる。
先生達は必死に捜索してくれて、全校生徒のご家庭に捜索願いのメールを一斉送信してくれた。自分も万が一の時を想定し、警察に捜索願いを出しに行く。
警察の方から沢山事情聴取をされ、警察犬までかりだされることになった。ここまで事が大きくなったのは流石に初めてだ。
“大丈夫、必ず帰って来る”
そう強く心に決める一方で、“万が一の可能性”が頭にチラつく。
警察署で捜索願いを正式に届け出て、「さぁこれから本格的に…」と話している途中に連絡が入る。
「見つかりました!」
どうやら家の前に通りすがった見守り隊の方に引き取られ、お宅で待たせてもらってたらしい。
長男はケロッとした顔で
「コタツでテレビ見てぱりんこもらった笑」
なんてヘラヘラしてる…
俺はギュッ抱きしめて一言
「生きててくれてありがとう」
本心だった。
もはや怒りなんて超越した感情で、
そこには感謝しかなかった。
必死に捜索して下さった学校関係者の皆さん
心配して連絡くれた友達家族
警察の方々と見守り隊のご老人。
長男を守ってくれた全ての人達に、そして生きて無事帰ってくれた長男に
心から感謝の気持ちが溢れてきた。
生きてるって当たり前じゃない。
我が子の「ただいまー」がどれだけ有り難いことか痛感した。
僕は日々「困った時は助けて〜って言うんだよ」と伝えていた。もし「知らない人に付いていくな」と教えてたら、我が子は無事帰って来れただろうか?
疑う心を教えるより、人を信じる心を伝えたい。
世間が思ってるより、世の中は愛に満ち溢れている。こうして無事帰ってきてくれた事実こそ、地域の人達の優しさであり、繋がりだ。もし誰かの子どもが行方不明になったとき、今度は僕が全力疾走で探しにいこう。
あー本当に、
皆さんご心配おかけしました。
そして我が子を想ってくれて本当にありがとうございましたm(_ _)m