日中は学校以外の選択肢として「セカンドスクール」を開校しています、今井です。
いつものように鬼ゴッコをしている時、ずーっと1人の男の子が鬼になってしまいました。長いこと追いかけていて、疲れてくるから余計に捕まりません。捕まらないのもつまらないので、周りの子達から執拗に挑発されます。
「こっちだよ~」
「早く追いかけてよ~」
「つまんないよ~」
微妙な空気感になります。
鬼の男の子はイライラしてきます。それでもちょっかいは止まりません。
「ねぇ、鬼代わってよ~つまらないから」
その一言でイライラがピークに達しました。
「じゃあお前がやれよ!!!」
その瞬間、男の子は怒って何処かに走り出してしまいました。
僕は追いかけました。何言う訳でもなくただただ追いかけ、付き添っていました。最初は涙ぐみながら怒っていた男の子は、次第に落ち着いてきました。
でも、みんなのところには戻りません。
何分も何分も、ウロウロしました。男の子はとても迷っていました。自分が怒って出ていった手前、すんなりは戻ることはできないんでしょう。かといって「ごめん」と言うのもなんか違う…
とても葛藤している様子でした。
「無理して戻らなくてもいいよ」
僕が声をかけた時、
「戻る」と言ってみんなの輪に帰りました。
セカンドスクールのメンバーはビックリするくらい何も無かったように、その子に接していました。普通「もう大丈夫?」とか色々声かけたくなるところです。僕はその瞬間、彼らなりの優しさをとても温かく感じました。
その空気感に気を許した(先ほどまで怒っていた)男の子も、何も無かったかのように振る舞いました。そして、しばらくすると彼はこう言いました
「ねぇ、鬼ゴッコしよ!!」
挑発していた子と、怒っていた男の子はまた何も無かったかのように仲良さそうに鬼ゴッコを始めました。僕はそんな彼らが、なんだかとても愛しく感じました。
皆が余計な干渉をさず、「ただそこに居る」ことを互いに認め合える。
セカンドスクールならではの出来事でした。
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