偉そうなブログを書いておきながら、毎日父親として反省ばかりの今井です。
僕がアメフト部でイジメに遭い、引きこもりになっていた時のお話。
実は恩師に人生を変える一言を頂いてからも、すぐに復活できたワケではなかったんです。毎日やっていたゲームにも飽き、やることがなくて「そろそろ外に出なきゃなぁ」と思っていた時です。
知り合いのおじさんがズカズカ入ってきて僕に言いました。
「ちょっと行くから、着替えと靴準備して」
遠慮の一切ないなおじさんを僕は何故か嫌いになれませんでした。言われるがままヨレヨレのTシャツと靴を持って外に出ました。車に乗り長野県まで連れて行かれました。
山の中にどんどん入っていくと、よくわからない大きなテントの前で車を停め、無口なおじさんは僕に言いました。
「ここの人、前は都会でサラリーマンしてたんだけど、今は山ん中でこうして生活してるんだ。大人でもこんな奴もいるんだよ、面白いよな」
その時の衝撃は今も覚えています。
大人=「真面目に仕事している人」と思っていた価値観が崩れた瞬間でした。おじさんはその後もなんの説明もなく、山の中を走ります。
駐車場に着くなり、「この山登るから」と言われ、でっかいリュックを背負わされました。「若いから大丈夫だろ」と言われ、どんどん先に登っていきます。こんなところに置いてきぼりにされたら洒落にならないので仕方なく僕も登りました。
ただただ、ひたすら無言で登り続けました。
当時流行っていたティンバーランドというカジュアルブーツで長時間登っていたため、靴ヅレに悩みましたが、それでも登りました。痛む足で無言で登り続ける。この修行のような登山が、その時は何故かとても楽しかったんです。
4時間くらい登り、ようやく頂上につきました。
「この絶景はたまらないだろ?」
おじさんにそう言われ、後ろを振り向きます。
僕は何も言えなくなり、ただずっとその景色に見とれてしまいました。それと同時にあまりに壮大な自然のスケールに
「あぁ、なんて小さいことで悩んでたんだろう」と思ったんです。
後に教えてもらったんですが、「白馬山」という結構高い山でした。笑
でもこの経験をきっかけに僕は自然のもつ力を学び、キャンプカウンセラーなどのボランティア活動を始めたんです。おじさんは隠れた僕の恩人です。
そんな僕が今や2児の父親です。自分が辛くなったとき、子ども達が辛くなったときはこの時みた光景を思い出すようにしています。